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私は貝になりたい

評価を先に言うならば、大満足です。
これは反戦モノドラマではなく、一個人の一生を描いた作品です。
戦争が絡んでいるから見たくない、という方はぜひ見てみてください。

数年前にフランキー堺さんのドラマ版を見て、そのテーマ性や脚本に心惹かれた作品です。

※ネタばれ注意
フランキー堺さんのドラマ版と脚本家が同じ、という話は公開直前まで知りませんでしたよ。
「昔見たあのドラマ版のリメイク!?」と制作発表の時はドキドキしました。
中居を主役に、ということで不安が少しあったものの、砂の器などで評価の高い福澤克雄監督ということでそんな気持ちも吹っ飛び、楽しみで楽しみで仕方がなかった。

蓋を開けてみれば、脚本はドラマ版とほぼ変化なし、というものでした。
しかし、下手に変更しているよりもずっと安心して、じっくり物語を楽しめました。
序盤の演出がなんとなくドラマ版を意識しているなーとか思っていたら、次第に1カットでずーっと映像が続くような映画的な絵が出てきて、進化とオマージュの入り混じったような印象。

役者に大物が多いものの、あまりアクが出ないような演出。
武田鉄矢がほぼ脇役で、いい演技していたりして、深みが出てました。
草薙も出てきたときは微妙な感じだったが、すぐに退場させるところに監督のアク取りの巧さが見える。
最終シーンでのがりがりにやせ細った中居の演技も、かなりぐっと来るものがありました。

ドラマ版から増えたシーンを、ざっと覚えてる限りで比較すると。
・奥さんとの馴れ初め
・髪を刈る奥さん。
・宴会で泣き崩れる奥さん
・東京大空襲
・奥さんの署名運動の件

たぶんなくなったシーン。
・赤紙を受け取る場面が違ったような気がする
・爆撃を耐えるシーンがあったはず

家族愛的なシーンを増やしたのは、客層の幅を広げたいのもあるのかな。
そのほかのシーンはたぶんほぼそのまま。

反戦的なイメージが強く、たしかにそういう面もある作品だとは思う。
が、この作品の主題は、主人公・豊松の愚かさが故の「自己崩壊」だと思う。
その愚かさの起源をたどれば、戦時下での教育やアメリカ人の当時の偏見もあるのかもしれない。
しかし、気のいい床屋の主人でしかなかった男が、
気づけば死刑囚となり死を待つ日々となり、
一度は死刑はないものと思い、気楽な日々を過ごし、
しかし結局は死刑を言い渡されるその時、
初めて一個人の世界でものを見、考え、
結論として、「生まれ変わるなら人間はいやだ」と言う。
家族のことも考えることもなく、戦争にも行くことのない、
海の底で孤独に生きる貝になりたい、という選択をする豊松の気持ちこそが、
この作品のキモだと思うし、ドラマ版からもこの部分は何も変えてはいなかった。

単純にドラマ版が好きだったため、色眼鏡になっている部分はあるかもしれない。
が、最初に言ったとおり、大満足。
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