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膚の下




兵士として作られた人間の話をしよう。

人間? 人造人間だ。

人工的に作られたそれは、アートルーパーと呼ばれた……



膚の下』は神林長平の長編小説である。
火星三部作シリーズの最終章にあたり、上下巻合わせて神林長平作品では最大のボリュームの作品となっている。
シリーズの最終章であり、『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』で展開された事件の真相が明らかになる。そして最終章でありながら、火星三部作シリーズの時系列ではもっとも古い時代を描いている。
神林長平の頂点に位置する作品との評価が多く、神林先生自身も「50歳くらいの頃に書いた作品。50歳以降は余生という気持ちがある」「この作品の主人公は、自分自身かもしれない」等、特別な作品として見ているようだ。

今回、『膚の下』の感想は再読となる。本ブログが開始されたころ、初めて載せた感想文が『膚の下』だったわけだが、急遽こうして感想文を載せたのには事情があるのだ。

そう本日は、神林長平先生の誕生日である。

不覚にもTwitterで気づいた方がつぶやいてくれなければ、気づかなかったかもしれない……ううむ、反省。
教えていただいて、ありがとうございます。

本作は神林長平作品らしく、サスペンスとドラマ、それにアクションが盛り込まれた大作である。
総ページ数は間違いなく神林作品でもトップであり、まさに珠玉の作品である。
地球環境を汚染した人類が、火星へコールドスリープし、その間の地球環境改善の任務のために作られた――人造人間・アートルーパーの物語。今までも神林作品には人間ならざるものが描かれてきたが、本作の主人公・慧慈のようにまだ未成熟な生物が、自らのアイデンティティを生み出すまでの壮大な物語は、それらの過去の存在とはまったく違うものである。人間ならざるものであり、それでも人間に似た彼らが――人間とは何か? 機械人とは何か? われわれとは何か? ――そういった疑問と葛藤、そして神林流の答えを、この作品は提示している。
具体的には実際に読んでもらいたい。僕はこれらをまとめた自分の持論を実際に書いたのだが、この誕生日という記念日にはあえて出さぬほうがいいだろうと思い、お蔵入りすることにした。この作品を読むことで、読者の中に何を創造するのか、それは自分自身にしかそのディティールはわからないだろう。
ひとつだけ言えるのならば、この作品を読むことで読者は自分の中の『創造欲』とも言うべき感情を意識するようになるだろう。それこそが、神林先生のこの作品にこめられたイメージのひとつではないか、と僕は思う。

今日は残念ながら安い酒しかないのが残念だが、虹の生活を思えば贅沢は言えないだろう。


神林長平先生、お誕生日おめでとうございます。

今後の執筆活動、どうかお体に気をつけて、がんばってください。

今宵、銀河を杯にして!

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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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