スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ルナティカン



ルナティカン』は神林長平の長編小説である。
本書は『太陽の汗』『宇宙探査機迷惑一番』『蒼いくちづけ』に続く、光文社文庫の書き下ろし長編で、現在はハヤカワ文庫のラインナップとなっている。

舞台は月。神林作品に共通して登場する月社会の世界観と、ほぼ同じものとなっている。『敵は海賊』ではおなじみの『水撃銃』が登場したり、登場人物の会話の中に『蒼いくちづけ』の『テレパス』が登場するので、神林ファンにはニヤリ要素である。
本作のタイトルである"ルナティカン"とは、月社会での下層市民の名称であり、本作はこのルナティカンに深い関わりのあるポール・フィルアップという少年のジュブナイル作品となっている。
月企業であるLAP社のアンドロイドに育てられたポール少年が、自身の出生を知り、社会への脱皮をしようとする――。
彼の本当の両親との関わりがある探偵リック・ライル。地球からポールとLAP社の真実を探求しにやってきた女性記者のリビー・ホワイト。そしてポールという広告塔を利用し、月企業で強力な力を持つLAP社のベノー・ツバイ。ポールという少年を取り巻く状況としては、十分に冒険譚的な配役が揃っている。
アンドロイドに育てられた少年、月社会の下層住民のルナティカンなど、SF的な要素は配置されてはいるが、物語は極端なまでにジュブナイルストーリーであり、特出したハードな展開などはない。至極読みやすい作品として纏まっており、それゆえに神林作品でも地味かつ凡とも言える。
オチは少しだけ、神林作品らしい血なまぐさい展開が待っており、そこはかとなく神林らしさを感じる。『Uの世界』などにも感じる、血の匂いの漂う生への一歩。大きな犠牲の伴う成長といったイメージが感じられる。
作品展開はベタベタで、それが神林作品でも読みやすい要素となっている。月の地下世界などの描写が凝っていて、そういう部分も冒険小説、もしくはジュブナイル小説的とも言える。
もしかしたら――『敵は海賊』や『蒼いくちづけ』と同じ世界かもと考えると神林ファン的には面白い作品であろう。おすすめ。
スポンサーサイト

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

そくろ

Author:そくろ
ホームページはこちら


Powered by ついめ~じ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。