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天国にそっくりな星





天国にそっくりな星』は神林長平の長編作品である。
日陰病という、日光に対して極端に弱くなる病気が問題化した未来の地球。
そんな地球人に、自らの星を提供する異星人、ヴァルボス人。
もうすぐ40になろうという元刑事・坂北天界は恋人である玲美とこの星へ移住。刑事時代の腕を振るい、平穏な村で探偵をしていた。
そんな彼に訪れた事件依頼。家出した少女を探すという仕事。
しかしこれが、ヴァルボスのなぞに迫る重大事件へと繋がっていく――。

神林作品ではそこそこの分量のある一作。
内容はシリアス系ではなく、脳天気系で、『親切がいっぱい』や『宇宙探査機・迷惑一番』に近いノリの作品となっている。
重厚なSFといった趣向の作品ではなく、深いテーマ性を感じるような作品ではないが、主人公・坂北天界の目線を作品中一貫して描写しており、まさに彼自身の物語といった感じ。
彼の信じるもの、すなわち恋人・玲美の存在が大きなウェイトを占めており、彼女のために生きる、ただそれだけというストーリー。
しかし、ヴァルボスの真実や、真相などを考えるより、まず第一に玲美だと考える彼の生き方、信念が読む者を楽しませてくれる。とにかく玲美なのだ。
また、そんな玲美を愛する彼の煩悩全開に近い思考も面白く、いやらしいものにはなっていない。純愛そのもので、読んでいて清清しい。
そんな天界の目線で描かれる玲美も、非常に可愛らしい女性として描かれている。性に対してオープンな女性なので、読む人によっては疑問符がつくかも知れないが、天界にとってはそれでいいのだ。
ヴァルボスという宗教に対抗する天界の信念、玲美を愛するという脳天気ながらも一切ぶれない信念は、彼の生き方そのものなのだ。
天界と協力するヴァルボス刑事・ジャンデューヤも非常に愛らしい人物として描かれている。非人間的なヴァルボス人が、天界にどのように影響を受けるのか、というのも見所である。

シリアス作品ではないが、神林の脳天気作品のひとつとして、大変濃い一作になっている。
読みやすい作品なので、雪風から入っての一作目にこれを選ぶのも良いかもしれない。
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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