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ワールドタンクミュージアム図鑑


ガールズ&パンツァー』をきっかけに戦車特需が発生している。

通称ガルパンは、戦車をあくまでスポーツの一種として扱ったスポコンアニメだが(美少女アニメでもあるが)、その戦車描写は非常に迫力があり、おおくのアニメファンに戦車の魅力をアピールすることに成功した。
製作者が筋金入りの戦車好き故に、情熱のこもった描写の数々。
多くのファンが戦車に対する興味をもったことは当然の結果であろう。

しかし、同時に戦車がニッチな傾向にあったその理由に、敷居の高さがある。
潜在的には戦車に興味を持つひとがいても、もう一分張りを促すようなきっかけがなければ継続した人気にはなりにくい。

ガルパンが今後、そういった作品になれるかは現時点では判断できない。
しかし、かつて同じようなチャレンジを試みた作品があった。

食玩の『ワールドタンクミュージアム』である。
購入しやすい価格帯とコレクションしやすいサイズ。
ラインナップの豊富さと、高い完成度で大きな反響を呼んだシリーズである。

これらがうけた理由には、ガルパンと同じ"戦車に興味があっても踏み出せない潜在的需要"を掘り起こした点が大きい。
そしてそれらの需要の知識欲を満たしたのは、付属した解説イラストであった。




ワールドタンクミュージアム図鑑』はその解説イラストを網羅したイラスト集である。
初心者にもわかりやすく戦車の解説を、という目的で作られたこれらのイラストは、情報としての価値と、戦車の魅力を表裏にわたって描いた作者の愛がつまっている。
堅苦しくないやさしい雰囲気をもち、戦時中の苦労や戦車のくせと悪い面、評価などが描かれている。

ガルパンに登場する戦車ももちろん描かれているが、すべてではない点はガルパンファンには注意してもらいたい。
しかし、戦車初心者にはすぐれた教本になることは間違いない。
また、戦車に興味があるふつうの人にこそ、本書はすばらしい体験をもたらしてくれるだろう。
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 小説・文学

赤い眼鏡



1995年夏。
人々は溶けかかったアスファルトの上におのが足跡を刻印しつつ歩いていた。
……ひどく暑い。



紅い眼鏡』は押井守監督による初の実写映画作品。
公開は1987年。
後にケルベロス・サーガとよばれる作品群の1作目である。

カルト的な人気をもつ本作を評価するのは難しい。とはいいながらも記事をはじめてしまった以上、一定の考えを披露しないことには始まらない。
こんな書き出しをさせるくらいには、本作は見るものを混乱させるであろう。
声優・千葉繁のプロモーションビデオからはじまり、規模が大きくなり映画となった本作は名作『機動警察パトレイバー』より2年も前の作品である。つまりまだうる星のにおいを引きずっている時代に作られた、しかもアニメでもない作品である。

ストーリーは第二次大戦でドイツが戦勝国となったイフの世界。
占領下となった日本に作られた警察組織の内乱から始まり、主人公・都々目紅一がドイツ製特殊装備であるプロテクトギアを持ち出し、仲間と共に国外へ逃亡を図る。
逃亡中に戦闘し、共犯者である鷲尾みどり、烏部蒼一郎らが負傷。
都々目紅一は、いつか日本へ帰ってくることを誓いヘリに乗り込む。
そして3年後、都々目紅一が帰国するところから始まる――。

現在、DVD以外にもバンダイチャンネル『紅い眼鏡』たったの350円で視聴可能である。
詳しい感想はネタバレになるので後述するが、興味を持った方はこちらでさくっと観てしまうのがいいかもしれない。
ただし、"本作はあの攻殻機動隊より人を選ぶし、声優に興味があるほうが(むしろ必須とも)楽しめる"ことを先に忠告しておく。

それでは以下はネタバレありの雑記。


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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

パンツとハサミが熱い




この世にSEXというものが存在するとはじめて知った少年は――誰もがこう思うに違いない
自分が"それ"を初体験する相手は いったいどんな女性なのだろうか――と


基本的に僕は漫画をあまり読みません。
神林長平小説にハマってからは特にその傾向は強く、漫画と同じかもう少し高く、あるいは安く手に入る小説のほうがお得だなぁだなんてことを考えてた時期が過去ありました。
中学生時代にはジョジョの奇妙な冒険にハマり、単行本を揃えましたが高校になってからはさっぱり。
そんな中で、漫画は多く読まないけれど、琴線に触れた数冊はシリーズを集めてました。

本書『謎の彼女X』もそのひとつに加わりました。
いうなれば恋愛漫画。しかしどこか奇妙な作風であるのが、僕を惹きつけた理由かもしれません。
そもそも恋愛漫画自体をそれほど読んでないので、いろいろ刺激的でした。
多くを語れば未読の方にとっての楽しみを奪うことになるので控えますが、しかしながら個人的にはツボの一冊なのです。
アニメ化が予定されており、春を境に人気が出ると思いますが……漫画も魅力的ですのでぜひとも読んでもらいたい。

テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

トランスフォーマー:ダークサイドムーン

ロボットオタクとしては2007年は衝撃的な年であった。
それはガンダムの新シリーズの開始ではなく、ガイナックスの新作ロボットアニメのことでもなく、ハリウッドで作られた映画であった。
我々の前に姿を現した実写版『トランスフォーマー』。
アニメや漫画の原作ありきの実写化は日本もアメリカも数多く作られ、共通して感じる印象は、優れた完成度を誇る名作になれるものは少ないというものであった。
日本の場合はなおさらで、それは今現在もガッカリムード全力投球中であるが、アメリカでは少し良い方向に進んでいた。スパイダーマンなど良作といわれる作品が作られたり、過去で言えば初代バットマンシリーズはすばらしい完成度であったし、スーパーマンは映画史に燦然と輝く名作であった。

そういった状況を見れば、和製実写化よりは遥かに期待できる状況だったといえるかもしれない。しかし『トランスフォーマー』……この作品は未知の存在であった。
『トランスフォーマー』は『ロボットアニメ』なのだ。
スーパーマンやバットマンのように生身の人間がアクションするのではなく、全編通して活躍するのは人間ではなく巨大なロボットである。これは優れたアメリカの実写化でも異例なことだった。
ロボットアニメには独特のこだわりが存在する。それはアニメファンの中でも、ロボットアニメが他のアニメとは違うカテゴライズで語られることからもわかる。巨大であること。銃撃戦などが展開され、それが人間目線から見て迫力ある戦術を展開してると感じさせること。トランスフォーマーであれば『変形』も必要不可欠である。

このころから映画を見る際に、気になった作品があれば予告編を一切見ないという今日まで続く癖を行っていたため、筆者からすればさらに未知数の作品であった。
しかし劇場でいざふたを開けてみれば、それは紛れもなく『ロボットアニメ』であった。
変形させること、実社会でロボットが動き回ることをリアルに描くこと以上に、そこにはロボットアニメに必要なカタルシスを盛り込んだ衝撃的な作品が存在していた。そしてトランスフォーマーとして重要なキャラクターの旨味も見事に引き出していた。

今作『ダークサイドムーン』でトランスフォーマー3部作は完結する。ストーリー的には宿敵メガトロンを完全抹殺したことで完成された。
……と思うのはトランスフォーマーに詳しくない鑑賞者だけだろう。なにせトランスフォーマーは、原作ではそのさらに続きがあるし、何より本作のシナリオは完結作には相応しくない内容だ。
センチネルプライムに関しては衝撃的であった。事前におもちゃの詳細はチェックしながらも、映画の内容に関しては映像含め一切遮断していたので、コンボイクラスのキャラクターでこういった活躍を盛り込んできたことは予想できなかった。
キャラクターの死亡に関しては概ね予想範囲内だろう。なにせ原作でもバンバン死亡する。トランスフォーマーはキャラクターが死亡しても別シリーズの似た別人の活躍があるのでこれでいいのだ。
しかし、3時間の内容の割りに本作の内容は薄い。展開が速いためか溜めの部分が少ない。特にオプティマス・プライムの悩みはもっと濃く描いてもよかったと思う。サムの新恋人――ミカエラの件は鑑賞後に知った、実に残念――を出すならサムの境遇とプライムの悩みをなんらかの形でシンクロさせるような内容のほうが展開的に良かったのではないだろうか。
加えて前作からオプティマスプライムを強化しすぎた反動がきた。本作ではまぬけな失態であっさり部下を失う。プライムとしての悩みを描くのであれば、もう少し弱くして前線でバリバリ戦わせるほうが魅力的に仕上がったのではないかという気がしてならない。

全編通して、たしかに本作はトランスフォーマーだ。しかし第一作目ではトランスフォーマーたちを未知の存在として描いたために魅力的であったのであれば、人間との交流が進んだ本作では、もっとトランスフォーマー個人にスポットを当ててよかったというのが一番感じたことである。
特に設定からすれば今まで以上に主役級であるオプティマスはもっと丁寧に描くべきだったと思う。というより司令官はもっと活躍できたたはずだ。ロープなんかに巻き込まれず。
完結作と命題しておきながら、消化不良というか続編の存在も匂わせている本作。続きがあるのであれば文句は言わず見るだろう。しかし課題を感じる作品となったのも事実だろう。
第一作目がロボットオタクに衝撃を与えた事実は変わらない。今後も彼らの活躍が楽しみだ。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

蠅の王



蝿の王』はウィリアム・ゴールディングの長編小説である。
古典的な孤島を舞台にした少年冒険活劇を、人間の諸悪的な本能を加えたことで、人間とは何かを問いかけた傑作小説。
戦時中に無人島へ墜落した十数人の少年たち。大人は誰一人としていない世界で、秩序を維持しようと努力するが、次第に崩壊していく。
こういった"大人不在の少年期"を題材とした作品は、現在は多く存在するが、本書が書かれた1954年という時代を考えると、その衝撃は想像できる。イギリス人である彼ら少年が、作中最後で大人たちに、「なぜ秩序を保てなかったのだ」と問いただされる。しかし、その理由は彼らにしか判らない――いや、正確に言えば何が始まりだったのかがわからない。争いの種が、ただ単に"奴が嫌いだった"というものであれ、なぜ嫌いなのかはっきりしない。
主人公ラーフは度々作中で、"頭に幕がかかる"として、自身の自制心が消えていく様を表現している。彼は作中の人物の中でも、決して有能ではない人物として描かれている。
体はたくましくないが考える力をもつピギー。年は若いが聡明な頭脳を持つも、それを大衆で表現する力が弱いサイモン。協力すれば、彼らの欠点を補える――というありきたりな展開に進まないのが本作の恐ろしいところである。
ラーフは少年たちのリーダーとして選ばれるが、それも決して有能だから選ばれたわけでなく、単に運によって選ばれる。少年たちの大半は6歳にも満たぬ少年で、その支持を得る理由は能力ではなく、ただ単にその場で彼が目立ったかどうかに過ぎないのだ。
そういった経緯で選ばれれば、彼を嫌う人間も出てくる。反目するジャック。彼はラーフよりたくましく、楽器隊の隊長という立場からより軍人然とした少年として描かれる。
知識ある者、力ある者、聡明である者、カリスマ――それらの人間がいたとしても、無人島の孤独、未開の地の恐怖が包み、秩序がなくなるにつれ無意味になっていくという構図は、現代社会であっても同じことが言えるような気がする。何かの拍子にあっけなく秩序は消えてなくなる、そういう可能性を持つのだと。

本書を手に取ったのは、『英語で書かれた文学ベスト100』にランクインされていたからだったが、十二分に充実した作品で楽しませてもらった。王道のアンチテーゼとまでは言わないが、そういったものをお好みなら本書は気が合うかもしれない。

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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